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チェストボイスは低い声?ヘッドボイスは高い声?

たまに、チェストボイス(胸声)を低音、ヘッドボイス(頭声)を高音だと解釈している人がいます。
大まかには間違いと言い切れませんが、ボーカリストが表現者や芸術家としての感覚を持って解釈するならば、チェスト(胸声)は重い声や太い声、ヘッド(頭声)は軽い声や明るい声といった”声の色合い(カラー)を示すもの”という理解が望ましいです。

なぜなら、プロの実際の歌唱では、共鳴部は高低ではなく、自らの意志やフレーズなどの狙いによってもコントロールされるからです。
また、チェストボイスとヘッドボイスでは、声帯の扱いが違ってきますよ。

歌い手であれば誰もが高い声を出したいと、1度は憧れ、執着しますよね。
しかし、高いだけでよければ、小さい子供の声が最高峰ということになります。

幼い子供の歌唱イメージ

幼い子供の声は、無邪気で微笑ましい魅力もありますが、それは大抵、歌い手の子供のスキルからもたらされるものではなく、聴き手が親心を持って見守るような気持ちや、子供の声に重ねられる過去への思い、ノスタルジーから作られるものが大きいと言えるでしょう。
高いだけでは魅力的な声に不足だということは、このことからも理解できると思います。
また、エッジのようなアクや澱みがない声というのは個性が無く、どれも同じような声に聞こえてしまいがちです。

なかには、高いけれども重厚で、生き様のような年輪を感じさせ、迫力のある声で歌いあげるアーティストもいます。
こういうアーティストの声は説得力に富み、基本的なボーカルセンスやポテンシャルが高く、耳の肥えた関係者からも評価されることが多いです。
ボーカリストとしての経験を積めば分かると思いますが、重厚な声で高音へアプローチすることや早いパッセージをこなすことは超高難度の技術となるからです。

例えば、一般的には、ブルースやゴスペル、R&Bシンガーは重厚でパワフルな歌唱が持ち味であることが多く、また、フレーズエンドに多用されるようなメリスマ的アプローチやフェイクなどの早くて細かいアプローチも加わり、高スキルのシンガーが多いです。
ここではその例として、幾つか分かりやすいものを抜粋して紹介しておきますので、その高い技術を聞きとってみて下さい。

のちにテンプテーションズにリードボーカルとして加わり、凄い才能を持ちながらも、薬物問題やバンド・会社とのトラブルの陰で大きな脚光を浴びることのなかったボーカリスト、デヴィッド・ラフィン(David Ruffin)。
その秀でた個性と類まれなる歌唱を聞くことが出来ます。
いつの時代にも高域が出る人は数多くいるのですが、こんな風に歌える人は、そうはいません。
楽曲はスイートでポップであるのに、デヴィッド・ラフィンの歌唱が楽曲の印象を一変させています。凄いですよね。簡単な楽曲なのですが、歌唱は真似できません。

I Wish It Would Rain / The Temptations

歌手としての評価が高いマイケル・ボルトンとシールが、デヴィッド・フォスター主催のライヴでコラボしたもの。
二人とも簡単そうに歌ってますが、フェイクアレンジも加わり、声の質・音程の運び、ともに難しいです。
しかもライヴ。ダブリなどの誤魔化しも無いです。
発声メカニズムの理解や意識の高さを感じさせてくれます。二人の掛け合いバトルなど、とても贅沢なライブ。海外はいいですね。

David Foster: “When A Man Loves A Woman/It’s A Mans World” (Seal/Michael Bolton)

マライア・キャリーのデビューアルバムの中の楽曲で、まだ若い頃の歌唱ですが、そのポテンシャルの高さを感じさせる、ゴスペルテイストの高難度な楽曲。
後半になるにつれ、どんどん盛り上がり、声色の変化や音程の運びなどが激しく、卓越した技術、超人を感じさせてくれます。

Vanishing / Mariah Carey

語尾のフェイク、メリスマ的アプローチと言えば、手始めに分かりやすく学べるのはホイットニー・ヒューストンや、アール・ケリーではないでしょうか。現代のポップな感覚も持ち合わせる楽曲も多いですから、勉強するには良い教材だと思います。
パワフルな声や歌唱を持ち合わせ、かなり難度は高いので、胸を借りるつもりで楽しんで挑みましょう。

You Light Up My Life / Whitney Houston
A Song For You/ Whitney Houston
I Believe I Can Fly / R. Kelly

加えて、ルーツミュージックにブルースやゴスペルを持つ米国のアーティストなどは、即興的なアプローチにもブルーノートを感覚的に使います。普段から多くの洋楽も聞いて、その感覚を徐々に植え付けていくといいですね。
ロック志向の人は、これらの技術やブルースのテイストが強めに備わったロックであるハードロックを練習するのもおすすめです。

少し話しが反れてしまいましたが、ボイトレでは、カラーを作る共鳴部は胸や頭だけではないということや、ミックスも様々な種類があることを学びますね。
ボーカルはチェストボイス(胸声)を低音、ヘッドボイス(頭声)を高音だというふうに決めつけずに、アーティスティックに柔軟に表現できるようにしましょう。
そして、様々なカラーを手に入れて、意のままにコントロールできるよう、また重厚で年輪を感じさせ、迫力のある声を作れるようにトレーニングを積み重ね、声帯や発声器官を鍛えてパワーアップしていきましょう。

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