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リップロールの落とし穴

リップロールの落とし穴
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各国でワクチンが供給されだし、すでに経済をはじめ、世界では少しずつアフターコロナを意識した動きが活発になってきたようです。
そろそろ何もかもが動き出してきますね。
尚、当スクールは今回の件を糧にし、今後もリモートでの安全なレッスンを提供します。(詳細はこちらのページへ)

さて、今回のコラムは、一般的にウォーミングアップなどで取り入れられることも多い「リップロール」について。

近年では、トップノートではほとんど活用していないトレーニングですが、一般的にウォーミングアップなどで取り入れられることも多いですよね。

「リップロール」は遊びのような感覚で出来るトレーニングで簡単に活用されやすいですが、じつは利点もあれば留意すべきポイントもあります。

リップロールを行っている人に質問です。
あなたは何のためにリップロールをしていますか?

案外、ちゃんと答えられる人は少ないはずです。

一般的に、音程を作らない、もしくはバズ音などの一定音でリップロールを行う場合には、支えや呼気を安定させるということの意識が優先されたウォーミングアップの要素が強いといえます。単に歌う前にリラックスを導くという感覚で活用している人もいるのではないでしょうか。

しかし、リップロールで音程を作り動かした場合では、喉頭の動きに伴う声帯の張りを操るための輪状甲状筋などの筋力強化のトレーニングとなります。

このように、リップロールというのは操り手の意識や作り方でもたらされる効果が変わるのですが、自分の行っているリップロールの狙いや意図を持たず、安易に行ってしまっている人がほとんどです。

そして、何より問題なのは、リップロール時に作られる喉周りの筋肉群の扱いや、口腔や喉頭・咽頭の形状から作られる共鳴部、呼気の量などは各個人によって違い、実際の歌唱時に作られる状態とは乖離した、かなりバランスの悪い状態になっていることが多いということです。

例えるならば、リップロールは試合に入る前のリラックスをつくったり、特定の部位を意識的に鍛えるスクワットのような筋トレだといえますが、歌唱は実際のゲーム、実践です。
リップロールの効能は実践で活きてくることもありますが、本番歌唱というものはリップロールのまんまの喉や共鳴で歌うわけではないのです。

なので、真面目にリップロールの状態を歌唱にそのまま応用しても、初心者の場合、声や歌唱の色気や言葉のフォルムなどは、大抵、お粗末なことになってしまいます。

また、それに加えて、近年の生徒さんの傾向があります。

時代とともに、足る技術・不足する技術にも傾向や変化があり、最近は地声の弱い人が多く、踏ん張りが効かずに呼気が無駄に多く流出し、芯が弱く、粘りの無さや滑舌の悪さ、ピッチの精度にまで影響している人が多いため、トップノートでは今の時代に対応し、活用することが少なくなりました。

もちろん、これらのことを十分理解した上で、必要な場合は活用してもいいと思いますが、ただ理解もなく行うことは悪い癖をつけることにもつながり兼ねません。
自分の行うべきリップロールとしての正解が、初心者にはなかなかイメージしにくいと言えるのです。

どのトレーニングにおいても、各個人の症状や改善点をふまえないと厳密なことは言えないので、多数に向けたコラムでは以上の簡単な説明に留めておきますが、できるだけ講師の指導のもとに理解を深めながら、自分の状態や弱点、改善点などをふまえて、効率的で質の高いトレーニングを導くようにしましょう。

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この記事を書いた人

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