動画配信者に告ぐ　～ボーカルのスキルアップのために

7/2スタートの新日曜ドラマ、坂口健太郎さん主演の「CODE-願いの代償-」で、UVERworld「VICTOSPIN」が主題歌を担当し、本作ドラマの持つ世界観を一層盛り上げてくれます。どんな作品になるのでしょうか、楽しみですね。

さて、久しぶりのコラムです。
現在は、音楽や動画を制作するツールも安価で扱いやすいものが増え、歌唱動画やPV動画など自らの作品を配信する人も増えましたね。

今回は、そんな配信者たち、これから配信をしようと考えている人たちの作品向上やスキルアップになることを。

視聴者に歌詞や作品が伝わるようにとテロップやイメージ映像を入れている人も多いとは思うのですが、そのテロップやイメージ映像は、自身の未熟なボーカル力やスキル不足、表現力をフォローするものではありませんか？

確かに、昔から映画やテレビの映像作品とともに音楽が使用され、映像と音楽とは相乗効果を作り、互いに印象や造形に影響を与え合うことは間違いありません。
配信者がテロップやイメージ映像を入れて、視聴者に向けて印象をアップさせる効果を期待することは理解出来ます。

しかし、プロの作品や本当に上手い人の作品では、まずは音だけでも完成された、十分にフックする作品になっており、その上で必要に応じてPVやテロップというツールが付録的に加わります。

プロの現場ではプロデューサーやメーカーの方々がレコーディング時に、歌唱や演奏など作品の品質を指導アドバイスも含め、言わば現場監督の様に管理するので、プレーヤーが体たらくなパフォーマンスを作りだすことは少ないですが、アマチュアの間は自分やバンドメンバーの甘い判断になりがちですから、注意が必要です。

見極めが甘く、楽曲自体、歌唱自体に”キレ”がないまま、安易にテロップやイメージ映像に頼って勘違いを起こし満足してしまうと、あなたのボーカルパフォーマンスはもちろん、全てのパートのクオリティ、作品の質が向上の余地を失います。

自分の歌唱を第三者に聞いてもらって、相手にどれくらい歌詞を聞き取ってもらえるか、覚えてもらえるかを試すといいよとアドバイスすることも多いですが、あなたの歌唱や楽曲はテロップがなければ理解してもらえないものになってませんか？

テロップがなくても聞き取れるような歌唱を心がけるだけで言葉の扱いが大切になり、ボーカリストにとって大きなスキルアップや、プロ意識の導入となります。

スキルの未熟な者や、切れ味のない素材ほど、主素材にどんどん他の素材やエフェクトなどをプラスして付加価値で作品を高めようとします。
しかし、本当の実力を持つものは、素材ひとつでも力がありますから、必要ないものを排除して本当に伝えたいものにフォーカス・ズームすることが可能であり、多くの引き算が可能となります。

デジタルタトゥーにもなりえる動画配信の前に、まずは自身の基本スキルを日々しっかり磨き上げる努力と、PVやテロップやイメージ映像などが無くても支障がない楽曲を、たくさん制作するようにしましょう。
また、あなたの周りの、耳やセンスを持った音楽講師などの支援者を上手く活用して、さらに作品をブラッシュアップさせ、夢を実現へと導けるようにしましょう。