作曲をする上で、必ず考えておかなければならない重要なポイントに「キー設定」があります。
プロの作家とアマチュアの決定的な違いとなる1つです。
アマチュアの作品を聞いていて、マズイと感じる事の多いのがキー設定のいい加減さで、やたらと高いキーを使用している事が多かったり、超低域から超高域まで、好きなだけ音域を使用していることが多く見受けられます。
ボーカロイド相手ならば、どんな音域もこなしてくれるでしょうが、生身の人間となれば、そういうわけにはいきません。
キートップはもちろん、美味しい音域も、人それぞれです。
ですが、人間の作る表現力はマシンとは比べ物にもなりません、だからこそ生身の人間の歌唱は素晴らしく、面白いのです。
一流の作曲家は、楽曲を提供する歌い手のキーはもちろん、声の持ち味を理解したうえで制作をします。
キーを使いたいだけ使うということはしません。
音域の制限が無い作曲ほど、楽なものはないでしょう。
音域に頼るのであれば、サビではフックさせるために単純に上げればいいんですから、これほど楽な作曲はありません。
しかし、能力の無い作曲家は、だいたいこうなります。
もちろん、ボーカリストは作曲家のイメージに答える為に、日々の努力を惜しまないでほしいのですが、にわかに魅力的なキーがいくつも増えるなんてことは難しいですよね。
作曲家が超高い設定で歌わせてヘマをすれば、それはボーカリストだけの失敗に終わりません。
ボーカリストは「バンドの顔」なわけですから、お客さんからは、あのバンドは良くない、かっこよくないと評価されてしまい、バンド全体の評価を下げてしまいます。
例えば、アイドルは、キーが1オクターヴくらいしか出ないなんていうことも少なくないのですが、曲の提供を頼まれれば、当たり前ですが、そのキー設定の中で最高の曲を書くことが求められます。
それがプロです。
そんな苦しい条件の中でこそ、作曲家の能力が試されます。
歌い手の能力をカバーするために、名作家が起用されることが多いが故、アイドルには名曲も多いですよね。
あなたは自分のキーを知っていますか?
バンドの作曲者は、ボーカリストのキーを知っていますか?
作曲者は、ボーカリストの最高音や最低音、美味しいキーを理解した上で、曲を書き上げるようにましょう。