以前のコラム「エッジをつける(1)~ボーカリストの上級テクニック」では、上手いアーティストや上級者の表現にはエッジが存在するということを、お伝えしました。
「エッジ感」というものは、心の成熟や聞く力が向上しないと感じ取ることが出来ず、表現も評価もしにくいものです。
また、単に、ノドを潰すというアプローチでは、ピッチコントロールも出来ず、質の良いエッジは得られません。
エッジのテクニックを構築する上で注意したいのは、エッジとは、きれいに歌うというベーシックなスキルを持った上に育てるフィーリングや技術であるということを理解することです。
上級者になるとエッジの質も良く、曲やフレーズにより、ソフトエッジからハードエッジと使い分けられるようになります。
例えば、一般には綺麗な歌唱という印象を持つ人が多いであろう、セリーヌ・ディオンやマライア・キャリー、ビリー・ジョエルなどにも上質のエッジが存在します。
まずは、いろんな音楽を聴いて、アーティストのエッジ有無や、その色を感じてみましょう。
そして、ポップソングだけでなく、ブラック系、ブルース系やロック系といったジャンルも練習してみましょう。
前述したアーティストも、ハードロックですら、こなしてしまう高い能力を備えている事に気付けるでしょう。
また、日本人よりも海外のアーティストの方が、エッジのスキルや応用する感性は高いので、洋楽は聴くようにしていきましょう。
当スクールでは生徒のヴィジョンにもよりますが、エッジはトライさせていくこともあります。
しかし、いわゆる声楽系の講師などは、これらを意識させ、向上させる事が難しいので注意して下さい。
あなたが、いつまでたってもプロっぽくならない理由の1つは、声にエッジが乗らないからかもしれませんよ。