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DTMで楽曲のアレンジやミックスを上手にまとめる方法(2) ~「音像の定位を考えよう」

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前回コラム「初心者におすすめ、DTMで楽曲のアレンジやミックスを上手にまとめる方法」では、DTMでのアレンジやミックスでは「絵(画)を想像する」という、アドバイスをしました。
次に、よりクオリティの高い音源を作る為に、各パートのパンニング(音像の定位)を考えてみましょう。

アマチュアの作品では、自分の演奏したパートを何としてでも全部聴かせたいという意識から、あれもこれもと音量を上げ競うことが起こりやすいものです。
しかし、これではせっかくの作品がまとまらず、聴き手にとって心地よいものになりません。

そこで考えてほしいのが、各パートの位置=パンニング(音像の定位)。

前回に想像してもらったように、あなたは客席側の見渡しやすい位置から、ステージを見ているとイメージし、PA(音響係)になったつもりで俯瞰しましょう。
そして、まずステージ上でのメンバー位置を考えてみて下さい。

↓自分の楽曲の各パートの、ステージ上での立ち位置を想定してみよう。

ステージの写真

そのイメージを基にして、各パートの音を左右に振り分けてみて下さい。
ミキサー本体や、DTMの音楽ソフトの内蔵ミキサー画面にある ”PAN”のツマミで左右に音が動くはずです。

音楽ソフト内蔵ミキサーのPANの写真
↑DTMソフト「Logic X」 内蔵ミキサー内のPAN
アナログミキサーのPANの写真
↑アナログミキサーなどの一般的なPAN

例えば、全ての楽器(トラック)の ”PAN”がセンターになっているということは、実際のステージで例えるなら、以下の様にメンバーがステージの真中に集まって演奏しているということです。

ステージ上でのメンバー密集のイメージ

これでは、音が密集して ”だんご状態” になってしまい、それぞれの楽器の音が明瞭にならず、いくら音量を上げても目立ちませんし、スケール感に乏しいサウンドになってしまいます。

そこで、”PAN”をコントロールして、それぞれのパートをスッキリと心地よく聞こえるように分離させていきましょう。

例えば、ステージの中央にはボーカルが存在します。
だからボーカルのPANはセンター。
歌ものであれば、それが”絶対的な主役”と理解しましょう。

次に、ギターやベースは、ステージのどこに見えますか?
大抵、大きなステージでは対照的に、右と左に位置していることが多いのではないでしょうか。
じゃあ、”PAN”で、センターよりも少し右と左へと、振り分けてみましょう。
それぞれのパートが右や左に寄って演奏しているように、聞こえるのが分かりますか?
こうして各パートの音を分離させて明瞭にし、バンド全体のサウンドのスケール感を広げていきます。

ドラムは、だいたいステージの中央奥に居ますよね、だからPANはセンター。
しかし、ドラムセットには複数の太鼓やシンバルがあり、その種類や位置によっても、ほんの少しずつ定位を変えることで、ドラムを細部まで明瞭にし表現することが出来ます。
一般的に、DTMで使用することの多いプラグインやMIDI等の場合は、たいていサンプリング音源を使用したステレオ音源となっているため、ドラムトラックをステレオに設定していれば、それぞれのプリセットでは、ひとまず自然にパンニングされているはずです。
そのまま使用しても良いですし、わざわざタム1つずつでトラックを振り分け、それぞれエフェクトやボリューム、パンニングを作る事もあります。
ショット1つでトラックを割り当てることだってあります。
尚、生ドラムの録音では、スネアなど打面側の音と、スナッピー音を含んだ裏面の音とを別でマイキングするなど、多くのマイクやトラックを使用して録音、編集します。

さぁこれで、だいたい各パートの音が明瞭になってくるはずです。

ステージ上でのメンバー配置のイメージ

密集していたせいで、あっちもこっちもとボリュームを上げ競わないと目立たなかったパートも、パンニングを使って棲み分けさせれば、各パートが簡単にスッキリまとまります。
例に挙げた以外の楽器でも、ステージのどこにポジションするかを想像すれば簡単ですよね。

ちなみに、ここでは一般的な例を書きましたが、パンニングの設定に正解はありません。
あなたのパンニングが、あなたの楽曲の個性、サウンドカラーになります。
今日からは、好きなアーティストの音源のパンニングも意識して聴いてみるとよいでしょう、また新たな発見がありますよ。

ちなみに、機材によってはパンニング処理の精度が甘く、音像が上手く振れなかったり、ボケてしまうものがあります。
そういった機材を使うと、録音やミックス、マスタリングへ影響をあたえてしまいます。
機材はパンニング(音像定位)の処理精度の優れた、高性能のものを選ぶようにしましょう。
プロやプロのエンジニアが、ミキサーやヘッドホン、スピーカーに至るまでこだわるのは、音質が良いというだけでなく、こういった面も含めての、様々なこだわりがあるわけです。

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再生周波数帯域:5~30,000Hz

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この記事を書いた人

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