皆さんは、発声トレーニングの段階から魅力的な声をつくる意識を持っていますか?
一般的な発声トレーニングの場面では、ヴォカリーズ(主に母音などの簡単な言葉)で行われ歌詞を伴うことは少ないため、多くの方は発声から気持ちや思いを表現するという意識は薄いとは思いますが、経験が作られるにつれて、どんな発声においても声色・声のムード作りまで意識してトレーニングしていきましょう。
例えば、電話の相手の声を聴いて、今日は○○ちゃん元気がないなとか、今日は楽しそうだなとか、相手の調子を感じたことがあると思います。
相手には少しの声やフレーズでも、ムードや雰囲気は伝わるのです。
ムードのない声でピッチやリズムを鍛えて正確に歌えるようになっても、また、いくらオートチューンのような補正機器でピッチやリズムを正確に整えたとしても、魅力的な声でなければ、一目置かれるような歌い手との差は埋まりません。
最近話題の河合優実さん、山口百恵さんや中森明菜さんなども良い例ですが、やはり昔から老若男女問わず名を遺すアーティストや俳優というものは、良いムード・色気を持っています。
実践的ボイストレーニングとは、ピッチトレーニングやリズムトレーニングだけでは足りません。
とくに、ボーカリストは品の良い色気を作れるようになると周りの評価やスキルが数段アップしますから、継続した質の高いトレーニングで発声パーツを熟成させるとともに、ムードや色気まで磨くようにしましょう。