前回のコラム、「アウフタクト」の扱いのように、フレーズエンドの語尾にもリズムがあり、音を切るべきタイミングがあります。
毎回、そのときの気分で、語尾の長さや、切り際のニュアンスが変わったりはしていないでしょうか?
語尾の長さが変わるということは、次のフレーズインまでの間合いが変わってしまいますから、初心者やリズムが弱い人の場合、次のフレーズが遅れたり、突っ込んだり、ブレスポイントが増減するなど、歌唱に何かしらの支障が出やすくなります。
上達すれば、気分で変化がついたとしても上手いフレーズを作るような対応が出来ると思いますが、初心者やリズムが弱い人の場合、リズムを感じて語尾の長さをしっかりと決めて歌うようにしましょう。
まずは、自分の練習曲のオリジナルアーティストが、どんなタイミングやニュアンスで各フレーズの語尾を処理しているのかを、しっかりとリズムを取りながら感じてみましょう。
次は、アーティストの歌唱の上で、自分もいつもの歌うように軽く口ずさんでみて、アーティストと自分の語尾の長さを比べてみて下さい。
自分の方が、短かったり長かったりしないでしょうか。
語尾の長さ一つで、フレーズや楽曲のグルーヴにまで影響が出ますし、主メロ、リードが常に安定した歌唱で、ノリや語尾の長さを確定していればハモリやすくなります。
演歌歌手など、上手い歌手と呼ばれる人は、たいてい安定しているものです。
語尾の切り際の感覚を養ったり、上手な処理を作るコツは、フレーズインもそうですが、自身の中にタクトを持った指揮者がいるような気持ちでコントロールするとよいでしょう。