ボーカロイドや現代の言葉が詰まった歌い回す余裕のない作品による弊害とも考えられるのですが、最近の生徒さんは歌い回し(節回し)が苦手な傾向があります。
例えば、カラオケでも「しゃくり」が使われますが、みなさんはその効果を知っているでしょうか。
一般に「しゃくり」というのは装飾音符であり、その音をぼかす効果があります。
歌唱に用いることで、ストレートで単調だった表現をぼかしたり粘りを持たせたりすることが出来ますから、複雑な感情を表すときにも効果的です。
自分の歌唱が一本調子に聞こえたり、軽く幼く聞こえたり、物足りなかったりしませんか?
しゃくり、こぶし、フェイクなどの歌い回しは一般的な歌本では省略されていたり装飾音符や記号で示されることも多いですが、これらは一本調子に聞こえる歌唱に表情や抑揚などを与えてくれます。
ぜひ、意識的にコントロール出来るまでスキルアップさせていきましょう。
練習方法として、ボイストレーニングはもちろん、最近の言葉の詰まった音楽ばかりでなく、ブルースやR&B、演歌や昭和歌謡といった懐メロも練習曲にしてみましょう。