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カラオケの採点機能について

コロナウイルスのパニックも、ようやく各国で落ち着きを取り戻し、少しずつですが音楽や演劇などエンタメ系においても興行が行われるようになってきました。
コロナ禍で世界中の様々なアーティストの書き溜めた作品もどんどんリリースされてきますよ、楽しみですね。

これからはコロナ禍で一気に普及した、YouTubeアーティストなどにみられる、フィルターのかかった加工された画面越しの作品やスキルだけでなく、実際のライヴなどで生の実力を評価されたり、本当のスキルを求められることも増えてくることと思います。

さて、みなさんも長らく、思いっきり歌ったり、声を出していないのではないでしょうか。
きっと次にカラオケなどをされたときには、喉や体力の衰えを感じ、歌うことってこんなに心肺機能や体力を使うものなんだと痛感していただけることでしょう。

今回はそんなカラオケの採点機能による、ボーカリストの歌唱評価について。
生徒さんから質問をいただくことも多いテーマです。

結論から言えば、「カラオケの採点=歌の上手い人」とは言い切れません。
採点機能は、あくまでカラオケ機器の制作者側の規定(音程やリズムなどの決められた評価要素)を上手くこなせているかを減点方式で、またビブラートなどの分かりやすい少しの技巧の有無などを加点するなどして、歌い手の歌唱をAIに数値化させたものです。

しかし、現実では歌が上手いと評価するのは機械ではなく生きた人間の耳であり、私達の人間の耳は膨大な歌唱フィーリングやスキルを聞き取り判断し、目と同じように、評価する側の好みや聴き手の能力までをも反映するものです。
言葉のフォルムや共鳴コントロール、レイドバックやブルーノート、ステレオボイス、泣き、エッジ、ノイジーブレス、使い込まれた喉の枯れ味などの繊細で多彩な歌唱フィーリングの数々はもちろん、それらの「効果的な使い所や使い方」「質」。
さらに、そういった様々な要素が心と繋がり作られるドラマティックな歌唱の「演出力」も、AIは人間の耳ほど上手く評価できません。

機械というものは歌唱の中のパッションなど、歌い手の精神性の高まり、想いの丈までは汲み取って計ってくれませんよね。

「あいしてる」という言葉は、人はその意味合いを感じて聴き、その部分の気持までを理解して評価しますが、AIにとっては愛の表現という意味合いを汲み取った判断は難しく、単純に「あ」「い」「し」「て」「る」の1文字ずつの音の集合です。
AIにとっては、それが1音1音正確に捌けているかということの方が問題であり、それが切なく響いているのか、慈愛からのものか、はたまた憎愛や嫉妬を孕んでいるのかなど、人間の複雑な気持が乗ったフレージングを上手く汲み取り、評価することは難しいと言えます。

上手い人の歌唱や演奏には豊かなパッションが溢れ、楽譜には表せない情熱的で人間臭いフィーリングが随所にみられるものですが、AIではそういったものの多くは評価外となり、上手く加点されないばかりか余計なものとして減点対象にもなりやすいですから、本当に上手い人のほうが点数が伸びないなんていうことも起こってしまいます。

ピッチだって、ジャストピッチでなく、ポイントによっては時には多少シャープ気味のほうが心地よかったり、スタジオテイク(スタジオで要求され周りに評価されるもの)と、ライヴテイク(ライヴで要求され周りに評価されるもの)でも、評価される歌唱は違うものになることもあります。

これらのことからも、”カラオケの点数が高い歌は「AIを満足させた歌」であっても、「実際の人間の耳や心を満足させる歌とは安にならない」”ことが理解出来ると思います。

テクニカルを信仰するあまり、歌唱や演奏において感情というファクターを軽視する人もいますが、人間というものは悲しいときには声や表現は悲しいものですし、怒りに満ちているときはそのような声や表現が作られるもので、人は折り重なった複雑な感情も持ち合わせ表現出来ます。
音程やリズムといった音楽的要素が上積みされて作品となりますが、感情が歌唱表現や精神性の骨格なのです。

AIも昔よりは随分と進化していますし、ピッチやリズム、抑揚などを大切にする意識も身に付き、練習の一つにはなるとは思いますが、カラオケの採点機能は本当に歌の上手い人を決める装置としては不完全なものですから、点数が低いからといって歌が下手だと落ち込む必要は全くありません。
採点機能はカラオケが盛り上がる為のお遊び程度のものだと思って、楽しむようにして下さい。

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この記事を書いた人

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