作曲で楽曲がひとまず出来上がったら、作品の次のステップとして考えてほしいのがオブリガート(伊:Obbligato)です。
オブリガートとは、簡単に言えば”合いの手”のこと。
リードボーカルやリード楽器の合間をぬって、他の楽器が一瞬主役を奪うように、またリードボーカルをさらに魅きたてるように”合いの手のフレーズ”や”変化”を入れることです。
参考例をいくつか上げておきますので、オブリガートを聴き取ってみましょう。
まず分かりやすいところで「宇宙戦艦ヤマト」。
聴き取れますか?
ささきいさお – 宇宙戦艦ヤマト
YouTube動画は文字リンクから⇒https://www.youtube.com/watch?v=u66DIUNUQhc
次は、ロックの楽曲から2つほど。
まずはビートルズから。
The Beatles – Get Back
YouTube動画は文字リンクから⇒https://www.youtube.com/watch?v=YEESfv-11ng
クーラ・シェイカーのカヴァーバージョン「ハッシュ」。
わずかな隙にも入ってくるオブリガート、かっこいいです。
以前、名曲紹介のページでも取りあげました。
名曲紹介ページは⇒https://famoussong-meikyoku.com/hush-kula-shaker/
Kula Shaker – Hush
YouTube動画は文字リンクから⇒https://www.youtube.com/watch?v=gsdjZi0CIjU
DTM・ブレイクビーツ系からブリトニー・スピアーズ「トキシック」。
こちらも以前、名曲紹介のページで取りあげました。
名曲紹介ページは⇒https://famoussong-meikyoku.com/toxic-britney-spears/
Britney Spears – Toxic
YouTube動画は文字リンクから⇒https://www.youtube.com/watch?v=LOZuxwVk7TU
楽器でのオブリガートはもちろん、コーラスの活用も。ジャクソンファイヴ「I Want You Back」。
こちらも名曲紹介のページでも取りあげました。
名曲紹介ページは⇒https://famoussong-meikyoku.com/i-want-you-back-the-jackson-5/
The Jackson 5 – I Want You Back
YouTube動画は文字リンクから⇒https://youtu.be/UvynvnxZJ3Q
そういえば、大ブレイクとなったアニメ「鬼滅の刃」のTV主題歌、LISAさんの”紅蓮華”でも、随所に見られるトリッキーなギターのオブリガートがとても印象的でした。
特にサビ前の決めのオブリガートがカッコ良かったですね。初めて聴いて、サビのコード感とともに一番印象に残った部分でした。
LISA – Gerenge(紅蓮華)
YouTube動画は文字リンクから⇒https://www.youtube.com/watch?v=CwkzK-F0Y00
いかがですか?
これらのオブリガートが、もし無かったらどんな楽曲になるかも想像してみて下さい。
アマチュアの作品ではオブリガートが無いものも多く、単調で退屈な作品となりやすいのですが、プロや作家さんの書いた作品になるほど秀逸なオブリガートが上手く配置されていることが多い傾向にあります。
ギターやピアノは、伴奏楽器(バッキング)するものだと思い込んでいませんか?
どの楽器も、コードバッキングに徹するばかりだと面白味が無く、厚みが増すばかりでモッサリとしてしまいます。
また、最近の楽曲では間奏が無くなってしまい、ボーカルが歌いっぱなしという作品も珍しくありませんが、大袈裟かもしれませんが、間奏も大きなオブリガートだと言えないこともないでしょう。
個人的には、間奏がある楽曲の方が、変化があって楽しいですね。
オブリガートは、ギターや鍵盤楽器、管楽器と言った華やかな楽器が担当するばかりでなく、ドラムやベースのフィルインのように、すべての楽器で演出が可能です。
オブリガートや間奏に、少し特殊なスケールを使うことも面白いですし、あえて変化のためにブレイク(無音部)を作るという手法もあります。
まずは、様々な楽曲のオブリガートをたくさん聴き取れるようになって、自身の楽曲を魅きたてるオブリガートを発想出来るようにしましょう。