COLUMN

【メンタル】

2019.6.30

“若くない”は弱点なのか

〜最近、地元の後輩からわざわざお電話でスタジオまで、ご挨拶をいただきました。
サイト伝てに僕を見つけていただいたようで、同校の先輩後輩といった関係ではなかったので最初はすぐに思い出せずに、誰かと・・・本当に驚きました。
20数年ぶり、いやもう30年近くにもなりますか。時間の流れは早いですね。
この場を借りて。仕事中ということもあって少しの会話でしたね、またゆっくりお話ししましょう。〜



さて、今回は誰もが直面する年齢について。

多くの人が歳をとったからと目標への努力を諦めてしまう。

音楽の世界に限ったことではないだろう。

しかし、歳をとるということはアーティスト・表現者にとってデメリットでしかないのだろうか?




答えは全く逆だ。


確かに、腰が曲がるほどの老人や重病人ともなれば、豊かな声をつくることは難しい。
身体能力の衰えは、少しずつ発声器官、歌唱へ影響を及ぼすだろう。
しかし、身体の衰えという問題は、アーティストに限らず、どの分野においても言えること。
スポーツ選手などはアーティストとは比べものにならないくらいに顕著でシビアな事だろう。
それに比べると、アーティストやモノ書きのような表現者の場合、加齢は易しい問題であるし、プラスになることも多い。

経験を積んできたからこそ出来る表現、継続して得られる知識や技術など、メリットはたくさんある。
若い頃の一時の新しいものへの興味本位で作られた奇抜さや表面的な華やかさといったものや、若さのメリットでもあるパワープレイでもなく、多くの経験から自分というものを知り、ようやく全てのことの本質を見抜き、作品を扱うことも出来るだろう。
経験を積んだ分、いわば作品力の高さ、内容や本質で勝負すればいいのだ。

また、若い頃には無かった資金力も味方にすれば、自身をスキルアップをさせることもずいぶんと安易になるし、作品があれば一気にプリプロダクションさせ、結果までを見せつけることだって可能となるだろう。


しかし、残念なことに、多くの人はティーンと同じ土俵で戦ってしまっている。
自分は自分らしく、大人は大人らしくいこう。
年齢や経験を重ねた者の作品の重み、若年層には無い「完成形」や「ものの見方」、
「技術力」「作品力」「知力」「結果」を見せられるように心がけてみよう。

ただし、そのために必要なことがある。
日々精進(安定した学びと練習)、精神の追求だ。
僅かな毎日の一歩一歩と、物事の心理の追求を無くしては、年齢を重ねた者が持てる作品の重みや結果、高い技術は身に付かない。
英知や心、技術や感性は、まだまだ磨き増やす事が出来る。
アートは勝ち負けではない。
魂に響くかどうかだ。


「少年老い易く、学成り難し」という言葉があるように、
若い頃は「若さ」の特権や有り難み、また努力や継続の大切さというものは見えにくいもの。若くして覚悟の乗った本気を継続できる者はごく僅かだし、アッという間の数年で若さのアドバンテージ期間なんてものは終わってしまう。その先の方が長いものだ。
アドバンテージを無くしたからこそ真摯に挑める本気や努力が生まれ、
大きな失敗や挫折など、様々な実体験から作られる偽りの無い言葉やメロディといった、
いわば本当の応援歌や愛の表現を引き出せるのは、年齢を重ねた者の特権と言えるだろう。

人は例外無く、生まれた瞬間から年を経る。

今のあなただからこそ出来る表現、
今のあなただからこそ、昔の自分や未来の自分へ、
皆に伝えられることがある。

"若くない"ことは決して弱点ではない。