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2017.10.12

フィールド・ハラー(1)  〜ポップの前にあるべきもの

現在、音楽活動をしている皆の中には、自分はロックをやっているとか、R&Bをやっているとか、そんなふうに思って活動している人も多いかもしれません。
しかし、みんなは自分のやっているロックやR&Bのルーツをご存知ですか?

ジャンルというのは音楽のスタイル・特徴のことであり、
それは長い時間の中で様々な要因が絡み合い、クロスオーバーしながら派生してきましたから
1つに縛れないことも多く、もう最近ではカッコ良く言った者勝ち!みたいなところもあるものですが。
しかし大方は皆さんの好きなR&Bやロックなど、現代音楽として少なくとも影響を受けているのは米国の音楽シーン。
その米国の音楽の一般的な源流としては、「ブルース」や「ゴスペル」がルーツミュージックとして知られるジャンルです。



そして、ブルースは「ペイン」、痛みや苦しみのエモーションを持っている音楽だと、
少しお話したことがあります。

では、なぜブルースが「ペイン」のエモーションを持った音楽とされるのか。
それは、「ブルース」は、「フィールド・ハラー」や「黒人霊歌」といわれる、
黒色人種の苦悩、叫びから生まれた音楽だからです。

「フィールド・ハラー」という言葉も決して好ましいものではなく、
ルーツを語る上での表現として、ここではあえて使用します。
この言葉の説明はここでは掘り下げませんので、興味があり詳しく知りたい人は各々が調べて下さい。

とにかく、その昔、ビリー・ホリディの歌唱でも有名な「奇妙な果実」という歌もあるくらいに、黒色人種に対する酷い人種差別や、一部の白色人種による選民思想があったのです。
それは、アメリカの初代大統領リンカーンによって表面上の奴隷解放宣言がなされた後も、
キング牧師やマルコムXなどの伝記や映画からも分かってもらえるように、
そう遠くない近代や、現在に至るまで燻った問題となってきました。
これもまた、ここでは深く掘り下げません。
しかし、音楽に携わる上で少しは皆さんも感心を持つべき事だと思いますので、
南北戦争や奴隷解放宣言、キング牧師やマルコムXなど、ぜひ勉強してみてほしいと思います。



ブルースとは、そんな黒色人種達の言葉に出せない苦しみや痛みを持った中での当時の境遇が「叫び」から「歌」へ、音楽性を兼ね備えたものへと変わったと思えばいいでしょう。

米国の音楽シーンを語る上で、黒色人種の影響は大きく、とても重要なものなのです。
もちろん現在のアメリカは、西洋・ヨーロッパなどの移民から成り立った国ですから、
もともとの原住民の民族音楽や、その移民が持ち込んだ西洋音楽などもあったと思います。
しかし、そんな中で虐げられ自由を奪われた黒色人種の作り出した音を色濃く残しているのは
それまでの西洋音楽とはどこか特異でギリギリのエモーションをどこかに感じ、
惹き込まれる者が多かったからこそ、そのフィーリングを現在にまで引き継いでいるのではないでしょうか。

それは、自らや仲間を鼓舞するものだったかもしれません。
それは、自らの運命を嘆き、ときには神すら呪ったのかもしれません。
抑えきれない想いの、影なる反抗だったのかもしれませんね・・・。


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次回へつづく