COLUMN

【ボーカル】【テクニック】【スキルアップ】

2016.7.2

「きれいな声」よりも「きれいに歌いあげること」

国内超大型フェス「ROCK IN JAPAN」に、UVERworld、tricot、シナリオアートが出演!!
3組の熱いステージに期待です!!

さて、みなさんの声や意識を聞いていて感じることですが、
綺麗な声作りということだけを正解として追っかけている人が多いように思います。
しかし個人的には、それだけだと、すごく物足りない。

「きれいな声」や「きれいな発声」というものは、
聞き手側の客観的な主観で大きく変わります。
例えば、大好きな人の声であれば、どんな酷い濁声でも落ち着きますし、
弱々しい声でも愛おしいものです。
たとえ少しピッチが外れてたって良い声や歌にも聞こえてしまうでしょう。
だから、どうだってよいとしてしまえばプロ志望者としての向上はありません。
自分の恋人だけを相手にするならともかく、プロを目指すならば初めて聞いてもらった人にも、自分の歌唱で次々に恋に落ちてもらうような魅力的な声作りを考え、歌唱の演出力を磨かねばいけません。

「きれいな声」「きれいな発声」って一体何でしょうか?

アンドレア・ボチェッリ?





レイ・チャールズ?





サラ・ブライトマン?




ジャニス・ジョプリン?





どれも有名なプロボーカリストですね。

無理の無い発声ですか?

必ずしも、それだけが魅力的な歌声や歌唱となる要因ではありませんよね。

オペラのような? コーラス部のような歌唱でしょうか?

確かにそれらも綺麗と表現出来ます。

しかし、前述のボーカリストのほかにも、アレサ・フランクリンやエタ・ジェイムズ。




オーティス・レディングにスティーヴン・タイラー。




マライア・キャリーやホイットニー・ヒューストン などなど、





名立たるボーカリストたちの歌唱は、
オペラやコーラス部のように聞こえますか?
多くの現代アーティストの歌唱、あなたの好きなアーティストはどうですか?

美しく歌いあげている様な印象のアーティストでも、
上手なアーティストは、エッジテイストやダークサイドフィーリングも使います。

フォーマルやカジュアルといったものは歌唱のスタイルであり、
「きれいな声を作ること」と「きれいに歌うこと」は別のものだと、
ちゃんと整理しておいて下さい。


じつは現代音楽の歌唱においては、「きれいな声」は、さほど必要としません。
「きれいに歌いあげること」が、歌の上手さとして評価され、必要なスキルとなります。
「きれいな声」というよりも、「魅力的な声・熟成された声」。
そして「表現力豊かな歌唱」を目指すべきです。
ほとんどの歌手の声、一言一言のニュアンスや声質を、よく聞いてみて下さい。
上手い人の歌唱は、エモーションでありながらも抑制され均整がとれており、
ピッチやリズム、滑舌が正確で、深みや痛み、説得力があり、
ときに野性味溢れ、エッジが効いた表現であったり、
ときに吐息まじりなほど優しくセクシーであったりと、
心をかき立てられるワクワクする歌唱だと思いませんか?


とくにロックなんてものは、澄んだ声で歌っている人の方が少ないですよね。
「上手く声を汚す」ことも難しいスキルのひとつです。
上手い人は「きれいに歌いあげる力」を持っているはずですから、
プロは、みんなきれいな声で歌っていると勘違いしている人は多いでしょう。
でも、よく聞いてみて下さい。
プロはきれいな声というよりも、きめ細やかに表現力も豊かに、とても丁寧にきれいに歌いあげているのです。
ですが、素人のみなさんは「きれいな声」「きれいな発声」を意識するがあまり、
声の色合いの基盤となる地声が育たなかったり、感情表現が希薄になったりするのです。



大事な事は、「きれいな声」よりも「きれいに歌いあげること」だと理解しましょう。