COLUMN

【リズム】

2016.5.2

リズムの重要性(3) ~リズムは逃げない

最近の歌は言葉が詰まっている為、一語一語のリズムの精度が雑になっている人が多いです。
縦軸並びの縦割・縦刻みで現されるタイム(リズム)ライン。
横軸並びの横割・横刻みで現されるピッチ(音程)ライン。
ボーカリストのみならずプレーヤーは、そのクロスしたポイントへの正確な狙い、グリッドの意識が欲しいものです。

  

しかし、精度の悪い人は、フレーズをザックリ、そのあたりへ乗せてしまう。
フレーズの頭だけは合わせるものの、あとの言葉は、なんとなく置いたりして流れてしまう。

全体を滑らかに歌いたいという望みはあってもよいのですが、
細やかで正確なグリッドが感じられた上で作るレガートと、
それを理解せず、無いものとして歌うレガート。
後者のグリッドを感じられずに作られるものでは、質の高いレガートにはなりません。
聞く人が聞けば、そのリズムの精度、ボーカルのスキルはすぐに分かってしまいます。

いわば、歌・楽曲全体が1本の大木だとしたら、1つの木というものや、大きな枝ぶりだけで歌わないことです。
その枝ぶりを作っている葉っぱの付き方や数、色や形などを正確に感じ作ることです。



歌唱表現として、最終的には大きな観察力やノリ、組立ても必要ですが、
リズムやピッチに至っては、大きな捉え方だけでなく、
一語一語のリズムの正確性を磨きましょう。

解決策としては、まず楽曲内のリズムというものをしっかりと理解しましょう。
現代音楽、ポップスにおいて、歌や楽器の全ては、楽曲の決められたbpmによって作られるリズムグリッドを意識して、各パートがアンサンブルしているということです。
ボーカル以外のメンバーがリズムグリッドを意識して楽曲を組み立てて表現しているのに、あなたはそれを意識出来ないで歌を乗せる。それでは全体として良いグルーヴは作れないですよね。
しっかりと講師に4beat・8beat・16beatなど、リズムの感じ方や理解をさせてもらいましょう。
そして、普段から楽曲を聴いたら、その楽曲のbpmから大小の様々なリズムを感じて、リズムを取るクセを作りましょう。


次に、ボーカリストは「歌いながら」というところまでのリズムスキルを上げなければいけません。
単体ではリズムが取れても、この「~ながら」というのが、リズム感の弱い人にとっては次の大きな壁となります。声につられる、声の出どころが強拍だと勘違いさせられたり、賑やかな楽器に連られたり、身体の動きにつられることにもなりやすいのです。

また、アマチュアボーカルはとくに、歌唱時には心拍数がグッと上がりますから、
ピッチやリズムが散漫になります。
心拍数の上昇は、言わば、走りながら細やかなリズムやピッチ、ニュアンスなどをキープする様なものなのですよ。



走りながら詩を考え、思いを込め、リズムをとり、ピッチをとり、望みのフィーリングや声のみならず、アクションまでを安定させる。
プロボーカリスト、プロのプレーヤーってこんなに大変なんです。
これらは、かなりプロ目線ですが、歩きながら走りながら歌える機会があれば歌ってみて下さい。
普段は、ボイトレを行っていても直立の人が多くないですか?
声楽家など、フォーマルなスタイルならともかく、慣れてきたらリズムを感じて少しのリズムをとる動きくらいは、自然につけてもいいでしょう。
声を出しながらリズムを作る。
「~ながら」リズムキープする練習、発声とリズムの融合を目指しましょう。
当スクールでは、リズムボックスを使用した発声を組み込んでいますよね。


そして、最後に一番大事な、気持ちのアドバイス。
リズムは逃げません。



貴方自身が、慌てたり、焦ったりすることで、リズムや前のコラムに書いた強拍が見えなくなったり、あなた自身が聞こえなくしてしまっているのです。
リズムが、あなたのことを放っていくわけではないのですよ。
そのことを理解して、気持ちを落ち着かせ、耳や体感できるリズムの振動にも耳を傾け、
クールに捌きましょう。
たとえ、見失いそうになっても、落ち着いて。
いつでもすぐそこにリズムはあります。
リズムは決して逃げません。