COLUMN

【ボーカル】【DTM・作詞・作曲】
2016.2.4

オリジナル作曲で注意したい事 (2) ~ボーカリストのおいしいキーを理解しよう

最近の音楽シーンは、自身の言葉とメロディで作品として作るシンガーソングライターが主流である事。 しかしながら、メリットとその弊害があるということも、前回までに少しだけお話しました。
今回のコラムは、作曲をする上で重要なポイントの1つ。
「キー設定について」です。

プロの作家とアマチュアの決定的な違いとなる1つが、キーの設定です。

  

アマチュアの作品を聞いていてマズイと感じる事の多いのが、キー設定のいい加減さ。
やたらと高いキーを使用している事が多かったり、
超低域から超高域まで好きなだけ音域を使用していることが多く見受けられます。
ボーカロイド相手ならば、どんな音域もこなしてくれるでしょう。
しかし、生身の人間となれば、そういうわけにはいきません。
レンジはもちろん、美味しい音域も様々です。
しかし、人間の作る表現力はマシンとは比べ物にもなりません、だからこそ生身の人間の歌唱は素晴らしく、面白いのです。



一流の作曲家というのは、楽曲を提供するアーティストやボーカリストの美味しい音域や声の持ち味を理解します。
ですので、キーを使いたいだけ使うという事はしません。
音域制限の無い作曲、使いたいだけ使う作曲ほど、楽なものはないでしょう。
音域に頼るのであれば、サビではフックさせるために単純に上げればいいんですからね。
これほど楽な作曲はありません。
しかし、能力の無い作曲家は、だいたいこうなります。

もちろん、ボーカリストは作曲家のイメージに答える為に、日々の努力を惜しまないでほしいのですが、にわかに魅力的なキーがいくつも増えるなんてことは難しいですよね。
ここまで音が出たら良いのになぁという事はありますが、それを言えばキリがないです。
超高い設定で歌わせてヘマをすれば、それはボーカリストだけの失敗に終わりません。
ボーカリストは「バンドの顔」なわけですから、
お客さんは、あのバンドは良くない、かっこよくないと評価してしまいます。
バンド全体の評価を下げてしまったり、バンドの発展の妨げとなるわけです。
また、同じ作家からはスキル不足を露呈し、恥をかくことにもなります。

ですから、ボーカリストは日々の努力で表現出来る幅を増やそうとし、

作曲家は今あるボーカリストの魅力を上手く引き出す名曲を生み出そうと、互いに努力し、考えてしかるべきです。



例えば、昔も今もアイドルは、キーが1オクターヴくらいしかないなんていうことも少なくありません。
ですが、そういったアーティストからも曲の提供を頼まれれば、当たり前ですが、そのキー設定の中で最高の曲を書く事が求められます。
それがプロです。
そんな苦しい中でこそ、作曲家の能力や引き出しが見えたりする事もあるわけです。
名作家が手掛けることが多いが故、アイドルには名曲も多いです。
ビートルズやカーペンターズなど、決してキーが高いとはいえないアーティストにも名曲は多く、音域だけが全てではないという事がわかりますね。
テンションの無い低いキーで書けという事ではありません。
作曲者は、自分やバンドのボーカリストの最高音や美味しい所を理解した上で、
フックさせる為に最適のキー設定まで考え、曲を書き上げてほしいと思います。

  

あなた自身やバンドの作曲者は、ボーカリストのキーを知っていますか?